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暖炉・薪ストーブとの上手な付き合い方

暖炉や薪ストーブをはじめ、サウナや浴槽、木工家具などの制作なども行い暮らしを楽しくするトータルコーディネイトを目指し安全を第一に真剣に取り組んできたこれまでの実勢と施工技術で確かなサービスのご提供をさせて頂きます。

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Q.薪ストーブには
どんな種類があるの?

A.埋め込み型と据え置き型が主なタイプ。
燃料によっても種類があります。

 暖炉・薪ストーブの条件は、炎が見えること。
 その種類は大きく分けて、埋め込み型(ビルトインタイプ)と据え置き型(フリースタンディングタイプ)の2つがあります。埋め込み型は壁つき暖炉のことで、煙突が外壁や間仕切り壁一体化しており、レンガや石の化粧材、木や石のマントルピースを伴います。正面だけでなく二面、三面開口したものもあります。
 据え置き型の暖炉・薪ストーブは、不燃材の床の上に本体がのり、基本的に煙突が室内に露出しています。
 その他、部屋の中央に炉を設けた円錐型や、多角錐方のフードを付けて360度ぐるりと炎を眺められるタイプもあります。薪ストーブは主に暖房器具として発達してきましたが、扉にガラスをはめ込んで炎を眺められるものが増えています。
 燃料はまきが一般的ですが、ガスを燃料とするガス暖炉やガスストーブもあります。

Q.暖房効率はどのくらい
良いのでしょうか?

A.効率は状況により異なります。
気候や立地、家の断熱性能などが関係。

 薪には1kgあたり3.500~4.600kcal(含水量によって異なる)の発熱量があり、1時間あたりの薪の消費量と発熱量をかけると、薪の総発熱量が求められます。通常の壁つき暖炉は熱効率が低く(10%程度)暖房としてはお勧めできません。暖房器具なら加療調整ができ薪の燃焼量のコントロールも可能な、密閉したファイヤーボックスをもつ機種が適しています。これらの機種の熱効率は50~80%で、暖房器具としても充分な能力があります。
 部屋の広さと暖炉・薪ストーブとの暖房能力の関係は、天井の高さを一般的な2,400mmとした場合、1㎡あたり0.07~0.17kWの熱量が目安です。例えば20畳の部屋は、33㎡ですから2.31~5.61kW(1,987~4,825kcal/h)の熱量が必要となります。熱量に幅があるのは、気候や立地、家の断熱・機密性能、稼働時の室温等により差が出るからです。ちなみに吹き抜けのある場合は、30~40%程度多い熱量が必要となります。エアコンは1,000kcal/h当たり4.7~9.4円と言われており、それと比較すれば薪ストーブの暖房効率は良くはなく、暖まるまでの時間もかかります。ただし、調理や加湿器、乾燥機などとしても使えること、何より暖かさそのものや暮らしの質が上がることを考えれば、効率だけを見て一概に悪いとは言えないでしょう。

Q.薪の準備が一番不安。
種類や作り方、必要量は?

A.手軽に購入もできますが手順を
学んでしまえば薪を作る楽しみも。

 「薪」の樹木は大きく分け2種類あり、薪により適しているのは秋に紅葉する広葉樹です。針葉樹は木材が軟らかく、すぐに燃え尽きます。昨今は、伐採した木を丸太の状態で自宅まで運んでもらえ、運搬費用は実費ですが、営林署や森林組合から間伐材を無料または有料で分けてもらえることもあります。太さ30cm前後の丸太を4tトラックに積み上げると、1・2シーズン分位の燃料となり、暖炉・薪ストーブの燃焼室のサイズに合わせて30~45cm位で切断(玉切り)し、その後、乾燥工程前に割ります。木質の軟らかなうちに割るのがポイントです。薪割り専用の機械もありますが、斧を振って汗を流すのも醍醐味です。こうして丸太は燃料としての薪になり、乾燥工程に進みます。
 玉切りの丸太より細かく割られた薪の方が、乾燥期間が短く均一に乾燥します。冬に伐採した木は水分を多く含み、広葉樹の含水率は生材で35~60%程度。これをそのまま燃やしても水分の蒸発によりきわめて熱効率が悪くなり、またクレオソート(煙道内に蓄積する成分。低温で着火する)が大量に発生し煙突や暖炉・薪ストーブに悪影響を与えます。薪の含水率を下げるには、日の当たる風通しのいい場所に井桁上に積み上げ、半年から2年ほど自然乾燥させ含水量を15~20%に落とします。そのシーズンに使う薪は前年の内に調達し乾燥保存することが大切です。

Q.排出される煙は
ご近所迷惑にならない?

A.大切なのは、正しい使い方を守ること。
周りを考慮した設置を行うので安心。

 現代の暖炉・薪ストーブは、昔より燃焼技術が格段に進歩し、正しい使用方法であればほとんど煙は問題ありません。煙は段階で成分が異なり、薪は水分が多く点火後まず水分が蒸発します。この水蒸気に混じり二酸化炭素、微量の一酸化炭素、未燃焼物が排出され、その排出量は暖炉・薪ストーブの「二次燃焼システム」が十分に機能した場合、1kgの薪に対し約5g程度の排出で煙はほぼ透明で判別出来ません。点火時が最も注意が必用で、この段階では炉内が十分な高温になっておらず、煙には未燃焼物や二酸化炭素などが多く含まれ近隣の迷惑になりえます。これを回避するため、十分に乾燥した薪を焚き付けに使用し、その量に見合う空気を十分に供給し、完全燃焼を促すことが必要です。そして除々に火を大きくし炉内の温度を高くします。設置の段階で、煙突の高さを十分とり、排気ガスを高温に保つ断熱煙突でガスの流速を高め安定させることが重要です。薪はガスや石油などの化石燃料と違い、再生可能なクリーンエネルギーです。木は生長の過程で取り込んだ二酸化炭素を排出するので、地球の温暖化(温室効果ガスの上昇)にはつながらずダイオキシンも出しません。ただし接着剤を使用した合板などは、有害物質を発生する事があるので使用しないでください。また、できるだけ近隣に迷惑のかかりにくい時間帯(夕方以降)に使用する気遣いも大切です。

Q.燃焼中に外出したり
就寝してても大丈夫?

A.近くに可燃物が無ければ大丈夫。
無理な消化は却って危険です。

 「暖炉・薪ストーブの周辺に洗濯物や可燃物がなければ、火がついていても問題ありません。外出時は無理に火を消そうとせず、給気量を絞って、おき火を崩し、火を弱めてください。
 就寝前は、炉内の5割を目安に太めの薪を入れてから休みましょう。そうすれば朝まで薪がゆっくりと燃え続け、室内がほんのり暖かいまま朝を迎えられます。 消化のために水をかけるのは大変危険です。絶対にやめましょう。

Q.エアコンなどの温かさと
どのくらい違うの?

A.エアコンは対流方式暖房。
薪ストーブは輻射熱暖房です。

 暖炉・薪ストーブが発する熱は、輻射熱と呼ばれます。薪が燃焼すると輻射熱とともに遠赤外線が放射され、その熱線が壁面・家具といった物や人の体に直接届いて暖めます。さらに、空気も暖められて対流し始め、空間全体が暖まることになります。
 輻射熱暖房の場合、室内の空気を換気しても、暖められたものが発熱し続けるので暖房効果にさほど影響はありません。
 一方、エアコンや温風ヒーターなどは、暖かい空気を排出して部屋を暖房します。これは空気で熱を伝えるので対流と呼ばれます。空気で部屋を暖めるため、暖まった空気を換気してしまうと、暖房効果は下がります。
 輻射熱暖房の機器には、薪ストーブのほかにオイルヒーター、蓄熱暖房、床暖房、ホットカーペットなどがあります。ちなみに太陽の光の熱も輻射熱。だから暖炉・薪ストーブは、日だまりのような心地よい暖かさを得られるのです。

燃焼の着火までの手順

1.着火の前に

  • 暖炉・薪ストーブの周囲90cm四方の可燃物を片付けます。
    煙突付近にある洗濯物やスプレー缶等も忘れずに。
  • 煙突に腐蝕がないか、接合部にズレがないかを点検します。
  • 室内にある換気扇を止めましょう。
    (ストーブの煙を室内へ逆流させてしまいます)

2.着火

暖炉・薪ストーブにダンパーがついている場合は「全開」にします。バルブ、一次空気取入口等と二次空気取入口等の両方を「全開」にします。(自動式のものもあります)着火方法は2通りあります。

  • 着火剤等の上に乾燥した小割の薪や小枝を小山状にかぶせ、着火剤に点火します。
  • 中くらいの薪を炉内の両サイドに1本ずつ置き、その上に焚き付けの薪や小枝を交差させ、さらにその上に中くらいの薪を1~2本置き、最後に焚き付けの上に着火剤を置き、点火します。

A・Bどちらかやりやすい方法で着火してください。煙突が冷えていると煙の吸引力が弱くなるので、最初に着火剤等で炉内から煙突を暖めておくと、薪への着火もスムーズです。
焚き付けに火が移ったらその上に少し太めの薪を2~3本追加します。薪に火が燃え移ったのを見届けたら、一次・二次の空気取入口等の開度を調節して、希望の燃焼温度に近づけていきます。

3.追加の薪をくべる

薪が真っ赤なおき火の状態であるうちは、薪を追加する必要はありません。実は、炎を上げて燃え盛っている状態よりも、真っ赤なおき火が煌々としている時のほうが、熱量が多く、安定した状態なのです。このおき火が少し弱まりかけた時に、次の薪を足すようにしましょう。足すのが早すぎたり、むやみにくべると、炉内の温度が下がって低温燃焼となり、不完全燃焼を引き起こす原因になるばかりではなく、薪のムダ使いにもなります。
もしタイミングを逃して、下火になり過ぎてしまったら、太い薪と一緒に中ぐらいの薪を投入しましょう。

消化までの手順

1.消化

ほとんどの薪ストーブは気密構造になっており、一次・二次の給気レバーを閉じることで燃焼用の空気が減少しますが、薪の分解燃焼中に空気を遮断するとタール状のクレオソートが発生してしまうので、やむをえない場合以外は、完全に燃え尽きるまで待つ「自然消火方法」をお勧めします。

2.灰の処理

私たちが一般的に使用している固体燃料の中でも薪は灰の量が最も少なく、薪の乾燥重量のわずか1%程度です。薪の燃焼には2~2.5cm厚位の灰床があるほうが有効ですが、溜まり過ぎた場合は取り除きましょう。
通常、一次燃焼空気は下方より取り入れますので、灰が溜まり過ぎると灰が空気の通路を遮断し、燃焼を妨げます。灰受皿のあるストーブは火格子から灰を落とし、灰受皿が一杯になったら取り除きます。灰受皿のないストーブはドアを開けスコップ等で灰をかき出します。
火が消えたからといって、安易に処分しないようにしましょう。かき出した灰の中には、細かいおきが残っていたり、灰自体がまだ高温の場合もあります。蓋付きの不燃容器に移し、不燃の台か床の上で完全に冷ましてから処分するようにしましょう。可燃の紙やビニール袋等に直接入れることは、絶対にしないでください。火災の原因となることがあります。

メンテナンスの大切さ
掃除の方法

1.燃焼のメカニズムを知る

●燃焼の3要素

  • 燃料…十分に乾燥させた薪
  • 空気(酸素)…一次・二次空気・ドア・空気取入口等
  • 温度(着火温度)…焚き付け・おき・着火剤等
    燃焼の過程としては、焚き付けや着火剤による点火後は、次のような燃焼過程をたどり、これが繰り返されます。

●薪の燃焼過程

  • 第1段階:薪の含有水分の蒸発
  • 第2段階:分解燃焼…含有水分の蒸発後、熱分解により可燃ガスが発生。そのガスが着火温度に達し、空気中の酸素と反応して炎を上げて燃え、熱を出す。
  • 第3段階:おき燃焼(表面燃焼)…薪の可燃ガスの放出後、残った炭素が赤熱となり炎を出さずに燃える。
    ※おきの燃焼時はきわめて少ない空気量で燃えます。

薪は燃焼過程とともにその量も形状も変化しますので、効率よく燃焼させるには、それに応じた監視と工夫と手助け(空気取入口等の調整)が必要かつ重要です。

火災予防と火傷防止のために、暖炉・薪ストーブの取り扱いの詳細については、付属の「取り扱い説明書」を必ず読み、内容を十分理解してから使用しましょう。不明点はメーカーや専門業者に問い合わせるのが大切です。

2.メンテナンスの大切さ

暖炉・薪ストーブを長く快適に使うためには、メンテナンスや保守点検を怠ってはいけません。安全管理の上でも必要不可欠です。主なメンテナンスの作業は、煙突掃除、暖炉・薪ストーブ本体の掃除、消耗品の点検、交換および補修などです。煙突掃除がなぜ大切かというと、煙突内に付着したすすやタールが暖炉・薪ストーブ本体から伝わる高熱によって発火する「煙突火災」を防ぐためです。

  • 最初に室内側の準備をします。
  • 暖炉・薪ストーブの周囲をしっかりと養成し、暖炉・薪ストーブ本体にバッフル(熱受板)があるタイプはあらかじめ外しておきます。室外は高所での作業となるので安全には十分過ぎるほどの注意を 払ってください。

細かな粉塵が飛び散って予想以上に汚れますので、作業しやすくて汚れてもいい服を選び、防塵マスクやゴーグル、帽子などを装着するといいでしょう。
安全・快適に暖炉、薪ストーブライフを楽しむためにも、1シーズンに最低1回は「暖炉・薪ストーブ・メンテナンスデー」を設けたいものです。

煙突掃除を含め暖炉・薪ストーブのメンテナンスには専用の道具が必要になりますので、専門業者に相談しましょう。

3.暖炉・薪ストーブの掃除の仕方

<用意するもの>
はしご・ロープ・軍手・養成シート(古毛布など)・防塵用のマスクとゴーグル・安全ベルト・煙突掃除用ブラシ・掃除機・ゴミワイヤーブラシなど

事前に薪ストーブ周りを養成する

外部での作業から開始。煙突上部のトップ(ルーバートップの場合は一番頂部の蓋、丸トップの場合はそのトップ)を外す。

延長式の掃除用ブラシ(煙突径に合ったもの)を煙突内に入れ、5~6回上下させて内壁の汚れを落とす。外部からの作業はこれで終了。トップを元に戻す。(その際にコーキング等のチェックも行う)

室内では、落としたすすや灰で炉内が一杯になるので、静かに本体の扉を開けワイヤーブラシ等で内部のすすや灰を払い、灰受けを処理します。細かいすすや灰は掃除機で吸い取ります。(あらかじめ室内の煙突を外してビニール等で塞いでおけば、すすが室内に飛び散らず片付けも簡単です)

最後に暖炉・薪ストーブ本体のメンテナンスをします。触媒装置のあるタイプは、掃除機で目詰まりしている灰を吸い取ります。扉についているガスケットを点検し、不備があれば交換しましょう。続いてガラスの点検と掃除をします。そして煙突のジョイント部や本体のサビ等を点検し耐熱塗料で補修して、作業は完了です。

こんな時どうする?
よくある現象と対策

1.焚き始めに煙が戻る

  • 煙突が冷却されていて能力が低下している。
  • 冷えた煙突をプレ・ヒートして暖めます。
    新聞紙や着火剤に火をつけ、炉の上部にかざして煙突に上昇、気流を起こさせます。煙突が暖まれば煙の引きが良くなり、煙の戻りが解消されます。
  • 暖炉・薪ストーブ本体の給気口または煙突のダンパーが閉まっている。
  • 給気口またはダンパーを開けてください。
  • 煙突に異物が詰まっている。あるいは不完全燃焼したすすやタール上のクレオソートが煙突内部に付着。鳥の巣、蜂の巣、その他の動物が煙突に住み着くことも。また雪や氷により煙突のトップが塞がれることも考えられます。
  • 煙突を点検して塞いでいるものを取り除きます。タール状のクレオソート等は「煙突火災」の原因になりますので必ず掃除してください。
  • 湿った薪を使用した。
  • 乾いた薪を使ってください。乾いた薪がない場合は、薪を細かく割って使用してください。
  • 換気扇を回している
  • 換気扇を止めてから焚いてください。どうしても換気扇を使用する場合は窓を開けてください。
  • 換気扇を止めてから焚いてください。どうしても換気扇を使用する場合は窓を開けてください。
  • 窓を閉めてから焚いてください。
    (高所の窓が開いていると、家全体が煙突のような状態になり、煙が室内に流れ出てしまいます)
  • 煙突の総高が低すぎる
  • 煙突をもっと高くします。最低限必要な高さは約4mですが、曲がりの数・地域・建物・器具の状況等により変わります。
  • 機密性の高い住宅である。
  • 窓や扉を開けて、外気を取り入れてください。機密性が高いと燃焼空気が供給されにくくなり、室内の空気が薄くなって外気が煙突から入り込もうとするため、煙が戻ります。直接外から空気を器具に入れたり、外壁に穴を開けて給気口を設けて外気導入をすることもできます。
  • 燃焼用の空気が足りない。
  • 空気取り入れ口を開けてください。

2.火を焚いてしばらくしてから煙が出る

  • 風が吹いている。
  • 煙突(屋外)の近くに煙突より高い気や建物などがあると、風が煙突に吹き込んで煙が室内に戻ることがあります。この場合は専門家にご相談ください。

    風が吹く方向の窓を少し開けます。

    逆流防止トップを取り付けます。

    強制排気ファンを取り付けます。

3.前述の原因以外の場合

  • 一重煙突である。(煙突が冷えやすい)
  • 冷えた煙突をプレ・ヒートして暖めます。
    新聞紙や着火剤に火をつけ、炉の上部にかざして煙突に上昇、気流を起こさせます。煙突が暖まれば煙の引きが良くなり、煙の戻りが解消されます。
  • 煙突の大部分が屋外にある。(外気で冷却されやすい)
  • 煙突の横引きが長すぎる、あるいは煙突の曲がりの数が多い。
  • 煙突の横引きが長すぎる、あるいは煙突の曲がりの数が多い。
  • 横引きを避けて曲がりを減らしてください。

いずれの場合も、工事が必要となります。
専門家にご相談ください。

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